2017年2月24日金曜日

モツゴ、モロコ、フナ@はじめての魚釣り

4.清流の小物釣り
【瀞(トロ)や淵(フチ)、止水の魚:モツゴ、モロコ、フナなど】

 1本の川を俯瞰すると多くの場合上流から中流、下流さらに河口を経て海へ注ぐまで徐々に水量が増え流れは穏やかになっていきます。ハゼ釣りでは下流及び河口部での釣りでしたが、ここでは中流から下流に至るまでの「清流釣り」の基本を考えてみたいと思います。


 流れの落差(勾配)が大きく、白く泡立つ流れが岩を噛んで渓谷を走り抜ける上流域の川を「渓流」と呼びます。その山岳地帯を抜けた川が平野部を流れるようになると大きく蛇行しながら広い河原を伴って流れるようになります。ここからが「清流釣り」の舞台です。
 蛇足ですが、日本の川は、その川の平均的な流れ、水量そのものに対して川原が非常に広いことにお気づきかと思います。これは日本がモンスーン気候の影響下にあるために、乾季と雨季の降水量の差が非常に大きいことが理由です。河川敷を管理する一環で広い川原に野球場やサッカーグラウンド、公園などを整備している自治体も多いですが、海外諸国ではあまり例がありません。僕は外国からのゲストを魚釣りに案内することが多いのですが、彼らは川を取り巻く環境、特に憩いの場として釣り人や川に従事する人以外の多くの人にも川の環境が活用されていることにとても驚いています。

 さて、平野部を流れるようになった川の中流、清流の流れは渓流ほどではなくても「瀬(せ)」と呼ばれる早い流れと「瀞(とろ)」と呼ばれる緩やかな流れを繰り返しつつ下っていきます。
 まずは、その「瀞」や岸よりのほとんど流れを感じない静かな場所(ワンド)、或いは湖沼や田園地帯の用水路などの止水域で魚釣りをしてみましょう。こういった場所で狙う魚はずばり3種類、「モツゴ」、「モロコ」そして「フナ」です。

【モツゴ】
クチボソ(モツゴ)

 体長は5~7cmのかわいらしい魚です。東京近辺、関東地方では一般的に「クチボソ」と呼ばれます。その呼称の通り口の小さな魚で俊敏にエサを啄みます。岸よりの極緩い流れの障害物周りには非常にたくさん生息している一方、遊泳力はさして強くないのか、流れのはやいところでは全く見かけません。

【モロコ】
モロコ(スゴモロコ)

 モロコには何種類かあって琵琶湖特産のホンモロコはとてもおいしくて貴重だと言います。僕は多摩川で良く小物釣りをしますが、その時釣れるのはどうやら「スゴモロコ」のようです。
 良く釣れるのは7~9cm位でクチボソより一回り大きいです。また体型はクチボソよりも細長く、イワシに似ているせいか遊泳力もクチボソよりもあるらしく、瀬とまではいかないものの、しっかり流れている場所でも釣れます。しかし基本は岸よりの障害物周りを狙うことです。

【フナ】
フナ(マブナ、銀ブナ)

 フナは淡水小物釣りの王道と言って良いでしょう。フナの種類も何種類かありますが、キンブナとギンブナをまとめてマブナと呼びます。もっともキンブナはほとんど見つけることはないのでマブナ=ギンブナと考えて良いでしょう。
 先のクチボソやモロコに比べ体高があるので早い流れは苦手です。川であれば極緩い流れ、岸よりのテトラポットや杭などの障害物で保護された中、用水路などが生息域です。
 マブナは最大40cm位になりますが良く釣れるのは10~20cmの間です。ちなみに春に生まれた稚魚が秋になると3cmほどに育つのですが、その小さなマブナを釣り「かきのたね」と呼んで慈しむのもまたマブナ釣りの愉しみです。タナゴ釣り同様、こだわり始めるとキリがないのがマブナ釣りですが、まずは基本のウキ釣り仕掛けで十分楽しめます。

 モロコは多少回遊性が強いですが、3種類の魚とも大体同じようなポイントで釣れるので、緩やかな流れや止水の小物釣りとして釣りはじめましょう。同じ仕掛けで釣針をさらに小さな極小サイズに変えれば小物釣りの極致、タナゴ釣りも可能です。

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