2014年5月14日水曜日

1-05.リーダー&ティペットについて

1-01.フライフィッシングは他の釣りと何が違うのか?』の【フライフィッシングについて】の中で「フライロッドにフライラインを通し、先端にフライを結びます。適当にラインを引き出し・・・」と記述しましたが、これは正確な表現ではありません。
既に述べたとおりフライラインは重さのほとんどないフライを操るために、非常に太く重く作られている上、視認性を高めるために黄色やオレンジなどに着色されていることから、逆に魚に警戒される可能性も高いといえます。
もちろん物理的にフライラインの太さではフライのアイ(糸を結ぶために設けられた円形の部分)に通すことができず、したがって直接フライラインをフライに結ぶことはできません。


裏磐梯の湖でスモールマウスバスを釣った時の写真です
フライラインの先に透明なナイロンリーダーを接続し、その先(ティペット部)にフライを結びます。


そこで必要となるのがナイロン製の透明なリーダーです。
フライフィッシング用のナイロンリーダーは一般的な釣糸同様の素材ですが、フライラインにテーパーが付いていたように、ナイロンリーダーにも先端へ向かって細くなるテーパーが付いています。
それゆえテーパーリーダーと呼ばれることもあります。

またリーダーの各部を3つに分け、「バット」、「テーパー」、「ティペット」と呼びます。
「バット」部分はリーダーの最も太い部分で、ここをフライラインに結びます。
リーダーは徐々に細くなる「テーパー」部を経て、最も細い「ティペット」部へ到ります。
実際にフライを結ぶのはこの「ティペット」です。

もちろんリーダーが3つの部位に分かれているとは言え、製品自体は継ぎ目が無くつながっています。
この継ぎ目のないリーダーを文字通り「ノットレス(結び目無し)リーダー」と呼び、現在用いられているリーダーの主流です。
ちなみにノットレスリーダーの呼び名がある以上は「ノッテッド(結ばれた)リーダー」も存在していて、これはテーパーのないリーダーをバットからティペットに向けて徐々に細いリーダーをつなぎ合わせてテーパー状態を作ったものです。
ノッテッドテーパーを好み、自作して使うフライフィッシャーもいますが(実は私もそうです)、元々はナイロンリーダーをテーパー状に加工する技術のない時代の方法であり、結び目の強度低下を考えると一般的には製品化されたノットレスリーダーの方が優位と言えるでしょうか。

実際に釣りをしているとフライを交換する度にリーダーのティペット部が徐々に短くなってしまいますから、ある程度短くなったらそのティペット部と同じ太さのティペット単体を継ぎ足して使います。
したがってテーパーリーダーとは別に、同じ太さのティペットだけを別に用意しておくことが必要です。エサ釣りでハリスを交換するイメージと重ねると良いでしょう。
普通、リーダーと呼ぶとバットからティペットへ到るテーパーリーダー全体を意味し、あえてティペットと呼ぶときはティペット単体を指す場合が多いです。

またフライラインにウェイトによる区別があったように、リーダー及びティペットにも太さの種類が多数あります。
太さには数字の横に「X(エックス)」と言う表示をするのですが、これも使うフライやフィールド、対象魚によって選択する必要があります。
一般的に使われる最も細いティペットは8Xで、そこから数字が大きくなるに従い太くなっていきます。

リーダーの長さについても6フィートくらいから16フィートくらいまで幅広く揃っています。
近年は非常に長いリーダー(ロングリーダー)が主流になっていますが、実際にはあまり長すぎても扱いが困難となり、最も重要な(リーダーを含めた)ラインコントロールが困難になり、これは本末転倒を引き起こします。




渓流で最もよく使うリーダーは、4~6Xの太さで、9~12フィートの長さと言えるでしょう。
(*注:6X≒0.6号相当です。)

一方では1~4Xの太さで、6~12フィートの長さです。
(*注:1X≒2.5号相当です。)
湖でもドライフライを浮かべて待つ釣り方では細く長いリーダー(3~6X、9~12フィート)が必要ですが、シンキングラインでリトリーブする釣り方の場合は太く短いリーダー(1~4X、6~9フィート)が向いています。

*リーダー及びティペットについてもっと詳しく知りたい方は「4-04.リーダーシステムをもっと詳しく」をあわせてご覧ください。


2 件のコメント:

  1. 楽しく受講させて頂いております。

    が、ついつい写真のDELTA3に激しく反応してしまいました(笑)
    子供の頃、鍵の掛かったガラスのショーケースの奥に鎮座する、DELTA3・5とCDLは絶対に触らせて貰えなかったのを思い出します。
    色々言われますが、やっぱりこの造形は素晴らしいです。

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  2. デルタの「異形」に琴線を震えさせられた釣り人は少なくないですよね♪
    僕もその一人で、3、5共現役です。
    ロッドもABU、Farralite Safari Zoomというデルタと同時期のABU製(フェンウィックOEM)で、もちろんデルタとの相性バッチリ!

    蛇足ですが、ABUのロッドは元々ガルシア社が供給するコノロンブランクでした。それがこのロッドはフェンウィックに変わっています。フェンウィックのブランク性能は本当に素晴らしくて、特にこのフェラライトシリーズは逸品だと思っています(同じロッドを3本持っているくらいです、笑)。

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