2017年6月5日月曜日

6月のイワナ釣り

 福井県の某所へイワナ釣りに出かけるのも3シーズン目になりました。金曜日の深夜に東京を出発して土日の2日間を釣りに充てたのですが、2日目のクライマックスを紹介して今回の「旅」のレポートとしたいと思います。


 今回メインで釣ったのは昨年(2日目釣行)も釣った藪沢源流の川。山の杣道を歩きエントリーする入渓地点からすでに貧弱とも思える流れなのですが、一転そこはイワナのパラダイスでもあります。
 しばらく小さめの個体を釣ったりばらしたりしながら、岩を上り膝をついて木の枝をくぐりつつ進むと、やがて落差の大きな落ち込みが連続するポイントへたどり着きます。


 小さな落ち込みとプール。その組み合わせが右に曲がり左にくねりしながら何段も続いていきます。そして下の段からそのプールをそっと覗き込むと、木漏れ日の光の中に黒い影が揺らめくのが確認できます。最初の、畳4畳分程もあろうかと思える(その川の中では)大きめのプールには3尾の影が確認できました。(実は帰りにもう一度覗くと影は4つに増えていた!笑)


 はやる気持ちを抑え息を殺して静かにキャスト。ところがフライが着水する前に(恐らく)フライラインに驚いて魚たちは一斉に岩の陰に隠れてしまいました。大失敗。
 実はここにたどり着くまでに何尾か釣ってはいたのですが、ちょっと出方が渋いなぁと言うのが率直な印象でした。それがこのプールでは、僕の中では結構意識して静かにアプローチしたつもりだったのにもかかわらず、ラインの動きに過剰に反応しているようで、僕のそれまでの印象が裏打ちされた感じです。


 前日釣った川に比べて明らかに水温が低いのは感じたのでその影響か、或いは2日前の冷たい雨や前日の気温低下が影響したのか、それとも前日までに先行者がいたのか、はたまた単にまだ魚のコンディションが上がっていないのか・・・。理由は分かりませんが普通のアプローチでは難しいな、という印象を受けました。


 恥をさらすようですが、次のポイントでも実は全く同じ失敗を繰り返しました。先のポイントだけの問題なのか検証する意味で、静かに普通にキャスティングでアプローチしたところ、魚は同じように怯えて逃げて行ったのでした。
 これはなかなか難しいですね。昨年はクモの巣の隙間を狙ってボウアンドアロー・キャストでアプローチして釣ったこともありましたが、今回は季節が早い分クモの巣は少ない代わりに、別の理由でキャスティングが困難と言う。。。


 この状況で一番確実なのは、恐らく上流からディッピングでフライを流し込む方法だと思われます。しかしこれも釣り上がりの小渓流で魚に気づかれずに上流へ立ち位置を移動させるのは難しい。
 やはり下流の物陰から静かにフライをプレゼンテーションするしか方法は無いわけです。


 しばらく魚の動きをぼんやりと眺めながらふと思いついた方法を試すことにしました。写真でもわかる通り、落ち込みプールのポイントは流れが弱いので、その流れの魚の影響がない部分にまずちょこっとラインを出しておいて、流れの魚の動きを見ながら別の方向を頭が向いたときにロールキャストでフライを投射しました。
 これも不要なラインは出さず、キャスティングと言うよりは大きくゆったりとメンディングするようなイメージで、基本的には魚の影響下にはフライとリーダーのみが落ちるようにして極力プレッシャーを与えないようにします。当然リーダーからフライが一直線になるようではダメで、U字型というのかな、ティペットを介してフライとリーダーが水面に平行になるように心がけます。


 すると着水後ゆっくりと下流に動き始めたフライに、無警戒に近づいてきた魚がそのままパクリ!フィッシュオン!!
水底に潜り、身をよじり抵抗する黒い影。木漏れ日にきらめく鈍い色の魚体や黒い瞳。もちろんイワナです。感動!


 この方法が正解だったようです。ポイントまでが近いので無駄なアクションをしないこと。僕から魚が見えるということは魚からも僕が見えている可能性が高いわけですから、ポイントへのアプローチや魚へのプレゼンテーションは可能な限り注意深くする必要がありそうです。
 この後は、同じ釣り方で、同じようなポイントで何尾もヒットさせることができました。


 落ち込みとそのプールで繰り返す、イワナのサイトフィッシング。
 イワナが僕を発見するより早く、彼らを見つけて丁寧にフライを届けること。流れに泳ぐそれまでの姿と変わらないまま近づいてきてフライを咥えるその瞬間を繰り返し見続けていると、自分が今いる場所は正にパラダイスなのだと実感できるようでした。


 ここでは13:45まで釣り上がってから、ロッドをたたみ入渓地点まで川沿いに下り戻ったのですが、その最後のプールは恐らくそれまでの最大の大きさのプールで、そこには2尾のイワナが確認できました。
 1尾は小さく、1尾は大きい。それまでと同じようにプレゼンテーションした僕のフライにヒットしたのは小さいほうのイワナで、それが下の写真の個体です。24cm位はあると思いますが、それから想像するとあの大きい方は少なく見積もっても尺がらみの大きさでした。
 残念な気持ちがないわけでもないですが、だからと言って悔しくもありません。僕はもうすでに十分満たされています。


 ちなみにフライについてですが、白いフライやピーコックボディなどでも釣れたのであまり選り好みはしていないと思うのですが、僕の印象で明らかにこの日この場所で反応が良いと感じられたのはブラウンのフライです。アダムズでも良いと思いますが、レッドブラウンと呼ばれるようなハックルのティップウィングド・ショコラが一番反応が良かったように思います。


 蛇足ですが前日の渓流でヤマメを釣った時はライトケイヒルのような白いフライした。


 最後に、毎回現地で完璧なエスコートをしてくれる釣友ひらさんに大感謝!また行きますよぅッ♪(笑)

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