2014年4月19日土曜日

ウーリーバガーを巡るエトセトラ

当ショップのフライをご利用いただいているベテランユーザーのM山様とEメールのやり取りをする中で、非常に興味深いお話を伺うことができたので対話形式に編集してご紹介したいと思います。
M山様にはこのブログにご紹介することをご了承頂きました。ありがとうございます。

M山様がフライフィッシングを始めたきっかけは、当時、仕事上の上司であったカナダ人に誘われたことだったといいます。

ウーリーバガーあれこれ。


私が上司のカナダ人から釣りに誘われて、ビギナーズラックそのままにルアーでブラウントラウトを釣ったのはちょうど30年前の1984年の4月の芦ノ湖でした。
芦の湖でもやっとルアーフィッシングが流行りだした頃で、フライを振る人は殆どいませんでした。
当時、小田急山の上ホテルが芦ノ湖へ張り出すようにテラスを持っていて、宿泊客はそこから竿を出して餌釣りをしていた記憶があります。
上司のカナダ人はシンキングラインに冷凍のワカサギを解凍したものをつけて、トローリングをして深場の50cmオーバーのレインボーを釣っていました。

たしか、この釣り方をムーチングと言っていたような記憶があります。

ルアーやフライに限らず、アウトドアブームが今まさにはじまろうとしている時ですね!

その後、ルアーからフライフィッシングへと移ったのですが、私にルアーやフライを教えてくれた上司のカナダ人に初めて貰ったフライがウーリーバガーでした。


北米の人たちは本当にこのフライが好きですよね(笑)。
ヨーロッパではそんなに強く勧められることはないと思うのですが・・・。

その頃は、モンタナマラブーとかウーリーマラブーと言われていたと思いますが、芦ノ湖や北海道のチミケップ湖で随分活躍してくれました。


はい。
確かにモンタナマラブーとかモンタナピラピラとか言って(笑)、アトラクターフライの代名詞でした。
僕がフライフィッシングをはじめたのはずっと後ですが、当時はバス釣り少年で月刊『Angling』を眺めて思いを膨らませていた頃です(笑)。
その頃は「ルアー&フライ」と呼んでエサ釣りと区別する程度で今のようにスタイルが細かく分かれていなかったですね。
だからフライはやったこと無くても、案外一般的な知識として目に入ってきました。

当時、あの野崎さんが芦の湖でもフライフィッシングを流行らせようとしていて頑張っていて、私も芦の湖に行くと野崎さんのところに駐車させてもらい、ボートを借りていました。
野崎さんもマラブー系のストリーマーが芦の湖で一番良いと認識しており、特に薄緑のマラブーで巻いた例の「アオミドロスペシャル」を推奨していました。
実際にタイイングするのも見せてもらい、キャストやリトリーブも見せてもらいました。
野崎さんが凄いのは、ご自分が芦の湖湖畔で育ったのである意味当然ですが、季節、天候、風や波の状況でトラウト達がどこへ回遊してくるか判ると言っていたことです。


ルアーならミノープラグでグリグリメゾット。フライはアオミドロ、というのが芦ノ湖スタイルでしたね。

ところで「アオミドロ」フライが魚の目に何に見えるのかは分かりませんが、以前カナダの釣具屋さんを覗いたときにミミズやマゴット(サシ)、小魚に混じって生きたリーチ(ヒル)が売られていて驚いたことがあります。
そしてそのリーチの動きが、マラブーやゾンカーラビットの揺れ方に非常に近いんですよね。
ゾンカーなんかも小魚でなくリーチのリミテーションなんじゃないかと思ったくらいです。

ヨーロッパで生きたリーチをエサにするなんて聞いたことないですから、案外北米の人のウーリーバガー好きの源泉はこの辺りにあるのかもしれません(?)。

彼もマラブーの動きはリーチの動きを模しているのだと言っていました。

やっぱり!
今、当ウェブショップでラインナップしているウーリーバガーはオリーブグリーンだけですが、これはもちろん芦ノ湖の「アオミドロ」も意識しています。

それとイクラと同色なためかオレンジ色がどこでもヒットの確立が高いです。


なるほど、オレンジですか。

オレンジ色がトラウトにイクラを連想させて良いのだと教えてくれたのも彼で、私も湖や止水ではオレンジ色か薄緑色のウーリーバガーを使ってきました。
河口湖でオレンジ色のウーリーバガーでランカーサイズのバスを釣った時に、周りにいた若いルアーマン達がたくさん寄って来て、どんなフライで釣ったか見せて下さいと言われてちょっと嬉しい思いをしたこともあります。

藻面をスイミングさせて釣れたスモーリーの赤ちゃん。

確かにバスもウーリーバガーでよく釣れますね。
北米のルアーショップで売っている「クラッピーグラブ」なんて呼ばれているワームセットを見ると、ビビットなカラーの組合せが多いんです。
赤、白、黄色、紫、ピンク・・・、もちろんオレンジも。
さらに商品によってはボディとテールが色違いのツートンカラーなんて言うものもあります。
ウーリーバガーもシェニール(ボディ)のカラーとマラブー(テール)のカラーを変えることもありますから、発想は近いですね。

大変興味深いお話をありがとうございました。
何でも釣れてしまうウーリーバガーと言うフライの持つ可能性が益々広がるような気がします!
是非また機会あるときに他のフライや魚のエピソードをお聞かせください。

2 件のコメント:

  1. 記事を拝見していて、思い出の時(80年代)が甦ります(^^)
    当時関西ではフライフィッシングを見る機会が少なく、何となく今まで遠巻きに見ていた訳ですが、近所の小魚達に触れ合う道具としての価値を今更ながら発見し、ゆっくりですが色々と準備を進めております。

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    1. あばーさ加納さん、コメントありがとうございます。
      今振り返ると、当時は何だかキラキラしていましたよね。
      圧倒的に情報が少ない中、徒手空拳で世界を切り拓いていくような♪
      是非、フライロッドを手にしてみてください!
      フライフィッシングは確かに今でも取っ掛かりが難しい面がありますが、オイカワやウグイなど比較的身近な小物釣りに応用できる上、新たな楽しみが広がること請け合いです!

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