2016年9月21日水曜日

コロラドスタイルがやってきた!(②桂川忍野編)

前日に、養沢毛鉤専用釣場でケビンの操るコロラドスタイルの爆発的な威力を目の当たりにした僕は、2日目に桂川忍野へ案内したのでした。
この日は午後の釣りです。お昼過ぎに現地へ着いて日暮れまで。

「ケビン、ここは日本でもっとも有名なスプリングクリークの釣り場だよ。釣り人も多いしトラウトたちは常にスプーキーだ。ちょっと難しいけれど日本のフライフィッシングのメッカを楽しんで♪」

通称S字と呼ばれる激戦区。
等間隔で並ぶ釣り人の姿を見て面白そうにケビンがパチリ。

この日もまずは早々にケビンがベビートラウトをキャッチ。

スプリングクリークはドライフライが面白い、と僕が言うと
彼は前日のニンフと同じようにドライフライを三連結で釣るのでした!

豪快なイメージ、スタイルとは裏腹に岸よりのブッシュの影などを
非常に丁寧に探る姿が印象的でした。



ハッチも少なく、したがってライズもあまり見当たらない状況でしたが、水中の魚をよく観察すると何かを捕食しているしぐさは見えます。
恐らく何らかのタイミングで流される水生昆虫をとらえていたのでしょう。そこで僕はフェザントテイルニンフを流して様子を見ることにしました。・・・すると、ポンポンポンと連続ヒット♪




小型ながらブルックトラウトもヒットしました。




次に自衛隊橋下流に移動して時折ライズするトラウトを狙いました。
ここでは遊歩道に面する左岸よりの比較的深く太い流れがある場所に定位している魚をニンフのサイトフィッシングで狙ってみました。
このポイントでは僕は今までドライフライで釣っていたのですが、前日からのコロラドスタイルを見ていて思いついたことを試してみます。


彼の釣り方で最初に目を引くのはやはり大きなウキの存在ですが、僕が注目したのはニンフを複数セットしていることです。それもドロッパー位置にセットしているニンフは重いニンフで、これは言わばオモリ代わりと言えます。
そうなんです。もう気付いた方はいらっしゃると思うのですが、これはアウトリガー・ニンフィングなんです。

ティペットにスプリットショットを付けたアウトリガースタイルでの釣果。
コロラドスタイルに示唆を受けて試した結果です。

ニンフを一つ付けただけではそれにどんなにウェイトを仕込んでも(ジグヘッドルアーのようにしない限り)ティペットが流れの抵抗を受けてフライが浮き上がってしまいます。そこでフライの30cmくらい上に小粒のスプリットショットを一つ噛ませて、ティペットの浮き上がりを抑制することで、フライを底近くの流れになじませることができました。
このシステムで岸際の底に張り付いているトラウトを目視しながら狙ったところ、思った通り目の前に流れてきたフライにしっかりとヒットしたのでした!
やはり思った通りの結果が得られて満足です。


再度上流へ。フライ専用区間でライズを狙います。
ところがポツポツと静かなライズはあるものの、どうやら水面下の何かを捕食している様子。そこでニンフやソフトハックルなども試したのですが・・・食わない。。
ちなみにケビンは、周りを立ち木に囲まれてロッドを振りかぶらずにロールキャストでプレゼンテーションを繰り返さざるをえない狭い環境に手こずっている様子でした。


しばらくするとライズの様子が少し変わりました。ライズの対象は分かりませんが、明らかに水面で何かを食べている雰囲気です。
そこでフライをシンプルなドライフライのフェザントテイル・レッドスピナーに結び変えてキャストすると・・・フィッシュオン!

ライズフィッシングのヒットフライはフェザントテイル・レッドスピナーでした。

その後はケビンも何度か魚を掛けたのですが、外れてしまったりティペットトラブルがあったり・・・でタイムアップとなりました。

忍野の気紛れライズの難しさ、面白さを感じてもらえたでしょうか。

今回、彼と2日間一緒に釣りをしたことは非常に楽しくて、また勉強にもなりました。
フライフィッシングは個人の嗜好性をとても強く反映させる遊びだと思うので、とかく自分の釣り方以外を批判しがちなこともあるのですが、そのまま受け入れる必要はないとしても本質的な部分を理解して自分の釣りに反映させることができたなら、それは楽しみの幅を広げる大きな助けになるのだと思います。


フライフィッシングの歴史の中で「マッチ・ザ・ハッチ」を確立したのもアメリカであるならば「玉ウキ仕掛けのコロラドスタイル」もまたアメリカであり、キャッチ・アンド・リリースの概念を一般化させたのもアメリカです。
フライフィッシングに限らずとも狭義的な一面性だけにとらわれるのでなく、彼らの中の多様性を意識したときにその懐の深さから学ぶべきことは多いのかもしれませんね。

来た時は雲に隠れて見えなかった富士山も、
帰り間際にちらりと姿を見せてくれました。

そんなことを、「今回、トーキョースタイルのフライフィッシングを学ぶことができて良かった」と言った彼の一言から感じました。
さぁ、自由なフライフィッシングを楽しみましょう♪

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