2015年1月15日木曜日

2-04. フォルスキャスト False cast

ピックアップ・アンド・レイダウンの次はいよいよフライキャスティングの代名詞(?)「フォルスキャスト」です。
フライラインを地面につけずに前後にビュンビュンやる、アレですね。
フライフィッシングのことを全く知らない人でさえ、フライフィッシングは何かと問われればフォルスキャストのパントマイムをする方が多いのではないでしょうか。
フォルスキャストの意味や理由はさておき、最もフライフィッシング「らしい」アクションであることは間違いないでしょう。
それでは早速練習してみましょう。


【フォルスキャストのポイント】
  1. ピックアップ&レイダウン(3拍子)と異なり、フォルスキャストのリズムは4拍子です!「1」でロッドを振上げ、「2」で頭の後方でロッドをストップ。「3」で前方へロッドを振り下げ、「4」でストップ。この繰り返しです。
  2. ロッドを止める位置: 4拍子リズムの「2」と「4」がロッドを止めるタイミングですが、「2」のロッドの位置は(ピックアップと同様)1時の位置。「4」は10時の位置で止めてください。(*ロングキャストをする際は「2」の位置を2時くらいまで後方に移動させることもしますが、まずは1時で練習して慣れてください。)
  3. くれぐれもロッドを「止める」ことを忘れずに!ロッドの動きを止めることで、ロッド内部に蓄えられた「力」がフライラインに伝達し、ラインの「ループ」を作りだします。

どうですか?
先に紹介した、たった3つのポイントを押さえるだけで誰でも簡単にフォルスキャストができるようになります。
なかなかフォルスキャストを続けてできないと言う方、是非もう一度基本に忠実に練習してみてください。
あっという間にできるようになりますよ!
ちなみにロッドを後ろに振上げてラインを後方へ飛ばすことを「バックキャスト Back cast」、前方へ投げることを「フォワードキャスト Forward cast」と呼びます。

□ □ □

さて、フォルスキャストができるようになったところで、ちょっと現実的な話をしておきたいと思います。
先に述べたとおり、フォルスキャストはいかにもフライフィッシングらしい技術に違いないのですが、それではこのフォルスキャストは何のために必要なのでしょうか?
幾つか思いつくままに書き出してみると・・・
  • 濡れたドライフライの水気を切り、浮力を回復させる。
  • ポイントまでの距離を合わせる。
  • フォルスキャストの途中で少しずつラインを出しながら、ロングキャストのタイミングを計る。
  • フォルスキャストしながら魚の動きを観察し、キャスティングのタイミングを合わせる。
  • 渓流釣りの最中、数メートル先のポイントへ移動する時にラインを仕舞うのが面倒だからフォルスキャストしつつ歩いて移動する。(そしてよく周囲の木の枝に絡ませる。苦笑。)
  • なんとなく格好良い(笑)。
こんなもんかな?
しかし実はもうワンランクキャスティング技術が上達した時に、フォルスキャストは非常に重要な役割を担うことになります。
その技術とは「ダブルホール Double haul」という、フォルスキャスト中のラインスピードを上げてより力強いキャスティングをするための技術で、強風の中やロングキャストをするときには必須となります。
キャスティングアクション中のラインスピードを上げるということは、より積極的にフライラインをコントロールして思いのままに操ると言い換えても良いでしょう。

少々話が飛躍してしまいましたが、フォルスキャストはラインコントロールという意味合いにおいて必須の技術なのですが、釣りの最中には必要以上に、回数を繰返してもライントラブルのリスクを増やすだけです。
ラインコントロールを目的とした「技術」の練習としてフォルスキャストを何十回も繰返すことは必要かもしれませんが、実際の釣りの最中に無闇なフォルスキャストはあまり有益とは言えません。
特に渓流でトラウトを狙う場合は、フォルスキャストが何度も魚の頭上を通ることでかえって警戒心を起こさせることにもつながりますのでご注意を!

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*ビギナー向けのフライキャスティング・レッスン(フライキャスティング・トライアル)も行っています。都内にて毎月定例日の開催ですが、別の日でも可能なことがありますので、ご希望の方はご連絡ください。

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