2016年5月13日金曜日

桂川忍野のミッジング

先日の忍野釣行に関連する話なのですが、某氏から「忍野へ行っても“あの”ライズが釣れた試しがない。どうしたらいいか・・・」と質問を頂きました。


まぁ、僕もよく分からないのですが(笑)。
「桂川忍野(かつらがわ・おしの)」というフィールドに馴染みのない方には分かりにくいかもしれませんが、この川は限られた区間に非常に多くのトラウトが生息しています。もちろん漁協の努力の賜物なのですが、キャッチ・アンド・リリースの成果もあると思いたいですね。
(*キャッチアンドリリースが義務付けられているフライフィッシング専用区間以外では、もちろん釣った魚をキープすることもできます。各人の責任においてご判断ください。)

またこの川は豊富な富士の湧水が目玉の観光地「忍野八海」からの流れを合していることから分かる通り、年間を通して水温の変動が少ないスプリング・クリーク Spring creek(湧水河川)でもあります。
つまりシーズン中はほぼ常に何らかの水生昆虫のハッチがあり、それに合わせたライズフィッシングが可能となっています。まさにフライフィッシングに最適なフィールドだといえます。
(*フライフィッシング専用区間以外ではルアーフィッシングも可能。)


デメリットとしては・・・好フィールドであることの裏返しですが、常に釣人の数が多いということでしょうか(苦笑)。
そのために魚も釣人に慣れているようで、岸を歩く人影が水面に映ったくらいではライズが止むことはありません。
それではそのライズがそのまま釣果に結び付くのかというと、そうでもない所が忍野の面白く難しい所です。
連日、休む間もなく釣人に責められ続けているわけですから、魚たちへのプレッシャー、警戒心は推して知るべしといえるでしょう。
それゆえ、より繊細な釣りが求められるのだと言えます。「忍野=ミッジング」というステレオタイプとなったイメージは、何もユスリカに代表される極小昆虫へのライズだけを指しているのではなく、釣人自らが招いた現象なのだとも言えるでしょう。

具体的にどこと言わず、川岸を歩いているとそこかしこでライズに遭遇します。中には明らかにメイフライやカディスが確認できることもありますから、そんなときはそれら昆虫に則したフライを試すべきでしょう。
一方、こちらの方が忍野らしいと言えるのかもしれませんが(?)、水面付近で飛翔している羽虫とは関係なく小さなライズを繰り返すトラウトがいます。
明らかに水面で何かを食べているようなのですが、よく分からない。
水面にぽっかり浮かぶメイフライ・ダンなどが流れていれば、一番分かりやすいのですがそうではない。ではイマージャーか、あるいはフローティングニンフの状態か?もちろんユスリカの可能性もある。
これはそれぞれ試してみるしかないのですが、一つだけ言えるのは昼間の時間帯であればやはりミッジングを軸にゲームを組み立てるのがベースとなるだろう、ということです。

ただし、僕はこのブログ内でも何度も言っているのですが、特にビギナーの方は悪戯にフライを小さくしていくようなことはしない方が良いです。
具体的なサイズで言うと、もちろん実際の虫の状態にもよるのですが16番フック、あるいは18番くらいのサイズを先ずはしっかりとライズしているレーン(流れの筋)にドラグフリーで流すことを心がけるべきです。
一般論でいうと、もしドライフライで釣るならいくらサイズを小さくしてもドラグがかかった状態ではまずヒットは望めません。逆に、実際にトラウトが食べている虫よりも若干大きなフライだとしても、きちんとライズのレーンにフライをナチュラルドリフトできればヒットする可能性は高いです。

***

さて、先日の実際の釣りの中から一つ例を挙げたいと思います。
桂川忍野の流れの中には幾つか有名なポイントに名前が付いているのですが、今回の例は「S字」と「コンクリ護岸」の間にある開けた川原のポイントです。ここは常に何人かのフライフィッシャーマンがライズフィッシングを楽しんでいる場所で、僕自身はあまりここで釣りをしない(場所が空いていない、苦笑)のですが、この日は運良く他に釣人がいなかったので、ここに陣取ってみました。

写真奥、潮目のように流下物の帯ができているのがわかるでしょうか。

対岸の木の枝がオーバーハングして水面に付こうかと言う辺りで、ちょうど流れの筋がはっきりしています。潮目のように水面の流下物が集まり、トラウトはこの流れの筋の中や周辺で定位しつつライズを繰り返しています。

上の写真をクローズアップしてみます。
普通にキャスティングして流すだけでは、手前の強い流れにラインや
リーダーが引かれてすぐにドラグが掛かってしまいます。強い流れの
奥にあるフィーディングレーンにフライを流すには工夫が必要です。

まず周辺を見回したのですが、目立つようなハッチはないようでした。良くみるとライズの下流の方、対岸の枝の影にユスリカらしい塊が浮かんでいましたが、はたしてそれがライズに関係しているかどうかは特定できません。
以下、なるべく詳しく思い出しながら順を追って書き出して見ることにします。

  1. まず僕は、既にティペットに結んであった16番のメイフライスピナーを一応流してみます。・・・反応なし。ライズは続きます。
  2. フライ変更、18番パラシュート(テイルなし)に変更。・・・がんばってしつこく何度も流しましたが反応なし。
  3. フライ変更、同じく18番で今度はイマージャー系のフライで水面直下を流してみました。インジケーターはつけません。リーダーの動きを注視しながら流します。・・・やはり反応なし。相変わらずライズは続きます。
  4. フライ変更、ドライフライに戻しますがサイズをもう一回り小さくして20番のグリフィスナットに。しっかりナチュラルドリフトさせると・・・おっ、チラ見してから頭を振った。もう一度。しっかりライズのレーンに流れると反応します。食いつかずに眺めていたり、フライの後を追ってきたり。
  5. こういう時は以下2つの理由のどちらかの場合かに当てはまることが多いです。1つ目はフライのサイズが大きいこと。2つ目は微細なドラグがかかっていること。僕は2つ目の理由を怪しんで、フライは変えずにティペットを30cmほど継ぎ足しました。そして同じグリフィスナットを流すと・・・、パクッ!ついにヒットしました!

ヒットフライ、「グリフィスナット」。

おそらく離れた所で見ている釣人(僕)の目にはわからない、ごく微細なドラグがフライにかかっていたのだと思われます。
難しいことではありますが、フライをナチュラルドリフトさせることに対しては細心の注意が必要ということですね。
ちなみに、その後フライを24番というさらに小さなドライフライに変更してみました。オイカワドライ(#20)のダウンサイジング版です。コレで連続ヒットか?と思いきや・・・反応せず(悩)。
そこでグリフィスナットにフライを戻すと、なぜか再度ストライク!ところが今度はあわせ切れ。ティペットを継ぎ足した結び目で切れてしまいました。残念。。

いかがでしょう。
ライズフィッシングあるいはミッジングといった釣り方を成功させるコツは、いかに基本に忠実になれるかということに尽きるのかもしれませんね。
もちろん今回はグリフィスナットと言うドライフライで上手くヒットさせることができましたが、このフライが普遍的な解であるわけではもちろんありません。
同じような状況でニンフでなければ釣れないこともあるでしょうし、何をやっても釣れないことだってあるでしょう。

今回の事例を振り返り僕自身が改めて気づいたことは、フライフィッシングは状況に応じた釣りをする必要があるのだけれど、その応用力というのは基本に忠実であること、と言えるでしょうか。

是非フライフィッシングの基本である正確なキャスティングとナチュラルドリフトを忘れずにフライフィッシングの迷宮を彷徨いください!

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