今回はタイイングに最低限必要な道具と、ビギナーにも比較的巻きやすく実際のフィッシングにも効果的なフライパターンを紹介したいと思います。
「フライタイイング・ミーティング」の一コマ。 |
ちなみに、普通、フライは「作る」とは言わず「巻く(タイイング tying)」と言います。
実際にフライを製作するプロセスを見て頂くとわかるのですが、フック(針)にスレッド(糸)やマテリアル(材料)を巻き付けて完成させます。
【フライタイイングに最低限必要な道具】
- タイイング・バイス: クランプで挟んで机に固定するタイプと、重量のある台座付きのものとがあります。
- ボビンホルダー: 少々値が張っても細いノズルの口にセラミックを用いたものを使うべきです。ただの金属ノズルのボビンではスレッドが切れやすいのでお勧めできません。
- ハーフヒッチャー: フライを巻いた最後にスレッドをハーフヒッチ(巻き結び)するための道具です。金属の棒の先に穴が開いています。写真の物は反対側がステンレスのニードルになっていてヘッドセメントを少量付けたり、ダビング材のピッキング(掻き出す行為)に使ったりします。
- シザース: ハサミです。なるべく先が細く刃が薄いもの。写真のストレートのほかにカーブしたもの(カーブシザース)もあると便利です。
- ハックル・プライヤー: ハックルの先端をつまむ道具です。形状、サイズとも様々な物があります。
- ヘア・スタッカー: エルクヘアやディアヘアなどの先端を揃えるための道具です。
- 瞬間接着剤: 本来ヘッドセメントを紹介するべきなのですが、案外この瞬間接着剤も便利です。硬化時に白濁しないものがお勧めです。
【タイイング・ビギナー向けフライパターン】
- キラーバグ Killer bug: まずタイイング・グッズの基本的な操作を練習できます。
- フェザントテイル・ニンフ Pheasant tail nymph: キラーバグで学んだスレッド・ワーク(糸の巻き方)やマテリアルを巻きつける方法を応用してメイフライ・ニンフを練習します。
- フェザントテイル・レッドスピナー Pheasant tail red spinner: フェザントテイル・ニンフの応用で今度はドライフライに挑戦。ハックルの巻き方も練習します。
- エルクヘア・カディス Elk hair caddis: エルクヘアとはシカの仲間の毛です。獣毛の使い方を練習します。
6歳の娘の初めてのフライタイイングで、ここで紹介 した4つのパターンを実際に巻いてもらいました。 ネッ、誰でも巻けるでしょ!。 |
以上4つのパターンの内、「1.キラーバグ」「2.フェザントテイル・ニンフ」「3.レッドスピナー(正確にはフェザントテイル・レッドスピナー)」の3本のオリジナルはイギリスの伝説的なリバーキーパー、フランク・ソイヤー氏が考案したパターンです。
少ないマテリアル(材料)のみで簡単に巻ける上に世界中でその効果は実証されています。
「4.エルクヘア・カディス」は、その名の通り「カディス(トビゲラ)」のアダルト(成虫)を模したフライと言われていますが、実際はシーズンを問わず万能に使える非常に優れたフライです。
次に上の4パターンを巻くために必要なマテリアルを列挙します。
それぞれマテリアルが重複していることにお気づきでしょうか?
まず最初に買うマテリアルとしては、フェザントテイル(キジの尾羽)とグリズリー(縞模様)ハックルがお勧めです。
一般的なハックル(ニワトリの羽根)にはオスの羽(コックハックル Cock hackle)とメスの羽(ヘン・ハックル Hen hackle)があり、また羽の部位によって首(ネック Neck hackle)と腰(サドル Saddle hackle)とがあります。
同じサイズのフライを数多く巻くなら均一の太さで長いサドルハックルがお勧めです。
まずは「グリズリー・カラーのコック・サドル・ハックルでフックサイズ#14~16番に対応するもの」(とフライショップで聞いてください)が良いのではないでしょうか。
ちなみにハックル(や他のマテリアル)のカラーはその動物そのもののもつナチュラルなカラーから、染色(ダイド Dyed)されたものまで様々です。
ドライフライは概ねナチュラルなカラーが使われますが、ウェットフライなどは赤や黄色といったビビッドなカラーも多用されます。
いきなりたくさんのマテリアルを揃えるのは大変ですから、まずはこの4つのパターンを繰り返し巻いて練習してみるのが良いと思います。
まず最初に買うマテリアルとしては、フェザントテイル(キジの尾羽)とグリズリー(縞模様)ハックルがお勧めです。
一般的なハックル(ニワトリの羽根)にはオスの羽(コックハックル Cock hackle)とメスの羽(ヘン・ハックル Hen hackle)があり、また羽の部位によって首(ネック Neck hackle)と腰(サドル Saddle hackle)とがあります。
同じサイズのフライを数多く巻くなら均一の太さで長いサドルハックルがお勧めです。
まずは「グリズリー・カラーのコック・サドル・ハックルでフックサイズ#14~16番に対応するもの」(とフライショップで聞いてください)が良いのではないでしょうか。
ちなみにハックル(や他のマテリアル)のカラーはその動物そのもののもつナチュラルなカラーから、染色(ダイド Dyed)されたものまで様々です。
ドライフライは概ねナチュラルなカラーが使われますが、ウェットフライなどは赤や黄色といったビビッドなカラーも多用されます。
いきなりたくさんのマテリアルを揃えるのは大変ですから、まずはこの4つのパターンを繰り返し巻いて練習してみるのが良いと思います。
また、繰り返しになりますが、うえの4つのパターンはシーズンを通して常に使うことができる非常に優秀なフライです。
もしこれら4つのパターンをフックサイズにしてそれぞれ#12~18まで持っていれば、渓流でトラウトを狙う際のほとんどの状況をカバーできると思います。
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ここで紹介しているフライをはじめ、各種完成フライはパドルフリークス・アウトフィッター Paddle Freaks Outfitter にてお買い求めいただけます。是非ご利用ください。
もちろんタイイングに関するお問い合わせにもお答えします。
もちろんタイイングに関するお問い合わせにもお答えします。
お勧めのタイイング・バイスってありますか?
返信削除と言うのも、オイカワフライを始めるにあたり、どうせならタイイング・キット品を購入しようかといろいろな人々の評価を探っていましたが、芳しい評価を見出せず適当に代用品で事を済ませている次第です。
ですが、正直なところ作業に無理が多くいまいち楽しめていないところがあります。
(近くにフライ用品を扱うお店が無いのもネックなんですが。。。)
現時点ではオイカワ狙い、将来的にはシーバスまで進展させるつもりです(^^;)
タイイング道具もやはり数千円から数万円まで金額がピンキリで悩みますよね。
削除このページで紹介している道具は実際に僕が使っている道具です。
アンビル社のAPバイスと言う入門者向けモデルです。
http://www.tiemco.co.jp/products/groups/view/1093
僕はこのバイスで#20のオイカワドライやフェザントニンフから、シーバス用のストリーマーまで巻いています。
専用のタイイングデスクでどっかりとタイイングに集中するのであれば、もっと重量感のあるバイスが良いのかもしれませんが、僕はあちこち場所を移動してタイイングすることが多いので(笑)、コンパクトなこのモデルが重宝しています。
アキスコ社のプロバイスを使っている知人も、24番のミッジを問題なく巻けると言っていましたし、そこそこ名の通ったメーカーの物なら特に問題ないと思います。
タイイングキットと言う意味では・・・、先日のフライタイイング・ミーティングの参加者の一人は、正に直前にタイイングキットを購入して参加してくれました。彼のセットはダイナキング社、キングフィッシャーと言うバイスのセットです。
http://www.hermit-jp.com/cgi-bin/shop.cgi?gcode=402
2~3000円のバイスもありますが、フックをつまむジョーをしめるクランプの部分が、使っているうちにナメてしまって強くつかめなくなってきます。
どのバイスが良いかと言うのは人によって違うので一概には言えませんが、本当にミッジからシーバス用のフライまで巻こうと考えているのであれば、やはりそれなりに「キチン」とした値段のものを買って置いて損はないと思いますよ♪
アドバイス頂き、ありがとうございます。
返信削除まるで自動車の工具と同じですね、見た目の仕上げまで含めるとなかなか手ごわいようです。
なにぶん、自分には人と違うのを持ちたいと言う困った癖もあるのですが、今回は出来るだけストレートに探すべきだと感じました。
全てをバイスに預けて作業を行うと心得、納得した一品を探すために少し離れたフライのお店にも一度足を運んでみます。
そろそろ自分の周りの仕事も片付き始めたので、もう少ししたらまたオイカワを狙って活動を始めます。
あはは、そういう癖は案外釣人には多いですよね(失礼)。
削除結局は好みですし・・・、購入したら頻繁に目にして手で触れるものですから、やはり好みに合ったものが欲しいですよね。
但し、やはり車と一緒でどんなに奇抜で変わったデザインであってもタイヤは丸くてブレーキは付いているわけですから、バイスとしての機能に妥協してないものをお探しください。
あ、これは釈迦に説法か(笑)。