2018年4月12日木曜日

ジェームス、フィッシュオン!

先日の火曜日(4/10)ですが、米国西海岸からやってきたジェームスとメイソンのお二人を伴って桂川忍野へ行ってきました。




ジェームスは事前の連絡の中でかなりのフライフィッシング好きだということは分かっていたのですが、実際に会ってお話を伺うと「シーズン中は毎週末のように釣りをしている」とのことでした。実際、彼のキャスティングスキルは非常に高く、僕自身が今までお会いしてきた米国人のフライフィッシャーの中でもトップレベルだったと思います。
ループの美しさ、そしてしなやかなで繊細なプレゼンテーションは日本人のようでした(笑)。


また、彼のニンフケースを拝見すると、その主に「ニジマスを釣るため」のコレクションに思わず唸らずにはいられませんでした。彼は釣り方を分かっていますね。

実はフェイスブックのページで先にこのことを紹介したところ、「どの辺が”唸らずにはいられない”のか教えてほしい」とリクエストを頂いたので、ここで簡単に僕なりの解説したいと思います。
まず一言で言うと「アトラクター要素の高いラインナップ」だと言えます。ニジマスが捕食する(であろう)エサの大小に合せて各種サイズが収められていますが、メイフライ系ニンフに関して言うと#12~#18くらいまでの、そのほとんど全てがビーズヘッドとなっています。サイズが大きかろうが小さかろうがビーズヘッド(ゴールド)のきらめきでアピールするのはニジマスならではと言って良いでしょう。日本のヤマメではそうはいきません。
また#8サイズ程度の大型ストーンフライと、何より(ヘビーウェイトの)ウーリーバガーが複数用意されていることが「らしい」ですね。これは川底で定位する大型ニジマスをサイトフィッシングで鼻面をくすぐるように誘う釣りのためです。
忍野でも時々こういうルアー的なフライフィッシングをしている人をたまに見かけますが、全くエサを食べる気のないニュートラルな状態の魚にリアクションで口を使わせるエキサイティングな方法です。
またプリンスニンフが収まっているのもアメリカ人らしいですね。なぜかアメリカ人にはプリンスニンフが人気なようです。


ちなみに上の写真は僕がこの日メインで使えるのではないかとお二人用に準備したフライです。
フックサイズは全て#16で、やや小型のメイフライ、オールマイティなエルクヘアカディス、そしてメインとなる(であろうと考えた)ニンフはBHフェザントテイルニンフです。
なぜビーズヘッドをメインとなるであろうと考えるかは、すでに説明した通りで、忍野では放流されたニジマスがメインターゲットとなるからに他なりません。
もちろん、イワナ、ヤマメ、ブラウンそしてごくまれにブルックなども釣れるのですが、圧倒的に多いのはニジマスなので、まずはニジマスを釣ろうと考えれば・・・。


そして、そんな釣り方を分かっているジェームスが日本人のような繊細なフライキャスティングを行えば、ヒットは当然ですね。


実は1尾目は釣り開始15分足らずで釣ってしまい、案内した僕の方が焦りました(笑)。
で、その後すぐに2尾目をヒットさせたのですが、今度はやや色合いが薄いもののヤマメでした。


もう一人のメイソンはと言うと、実は2か月前にフライフィッシングを始めたビギナーだそうで、一応、一通りジェームスにレクチャーを受けてきたとのことでした。
最初はやはりキャスティングもちょっと不安でしたが、「アドバイスしても良いだろうか?」と尋ねたところ、「是非頼む」と快諾されたので実際に釣りをしながら簡単なキャスティングレッスンも行いました。


その甲斐あってか、彼も無事にニジマスをキャッチ。彼のフライももちろんBHフェザントテイルニンフでした。


最初からニンフ一辺倒になってしまうのは、ちょっと僕の主義には反するのですが(苦笑)、当日は思いのほか気温が低く、釣り始めの一時間くらいはまだしも、午後2時を回る頃には強い風も吹き始めて、ちょっとドライフライどころではなくなってしまいました。


時折、散発的なハッチはあってもライズは皆無に近く、難しい状況だったと言えます。
この頃になると、最初の1時間ほどの間に二人ともなんとかキャッチしてくれていたのでほっとしていました。


陽がかげり始めるころ、一発形勢逆転を狙ってジェームスがキャストしたウーリーバガーにヒットしたのは・・・なんと彼の人差し指程度の大きさしかないニジマスの赤ちゃん(笑)。
これもまた彼の思い出になったのではないでしょうか。


そんな訳で前回の釣行よりも格段に難しくなってしまった今回でしたが、早く忍野らしいライズフィッシングの季節になってほしいと思う次第です。
皆様も良き釣りを。 Tight Line!

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